2025.06.16健康

ミニチュアダックスフンドの魅力とよくある困りごと

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ミニチュアダックスフンドは、長い胴と短い足という独特な体型、そして人懐っこく陽気な性格で世界中の人々に愛されている犬種です。

しかし、その愛らしさの裏には、飼育する上で知っておきたい「困りごと」や「病気のリスク」もあります。

今回は、ミニチュアダックスに多い困りごとと、注意すべき病気を中心に、飼い主として知っておくべきポイントをご紹介します。

家庭犬としてのミニチュアダックス

診察をしている中で、だいたいのミニチュアダックスはとても好意的で、あまり攻撃的ではないことからもわかるように、神経質ではなくフレンドリーな性格をしていることが多いです。

見た目も愛らしく、尻尾をフリフリしながら走ってきてくれる様子はとても心が癒されます。

過去に最も人気があるときには、ブリーディングの影響で免疫に異常が出るミニチュアダックスが増えていたのですが、最近ではその頭数もへっており、どちらかと言えば病気の少なく、長生きできる犬種になってきています。

高齢でも心臓も腎臓も悪くならず、よく食べている元気なミニチュアダックスも多くなりました。

ミニチュアダックスに多い困りごと

そんな家庭犬としてとても優秀なミニチュアダックスですが、その体型や性格から、少し困るポイントもあるのでご紹介します。

胸やお腹がこすれる

胴が長く、短が足いので、胸やお腹を地面にこすりがちです。

散歩のあとには、胸毛が黒くなっていたり、落ち葉がたくさん付くことも。

 

太ってしまうとお腹も地面に付いてしまうことがあるので要注意です。

 

ただ、毛が汚れるだけであればそこまで問題ではないのですが、足の長さによっては皮膚が地面に付きやすいミニチュアダックスもいます。

その場合は、皮膚が擦れて炎症が起きたり、それを繰り返すうちに皮膚が硬くなっていきます。

特に胸の部分が擦れやすく、皮膚トラブルが起きるようであれば、洋服を着て肌を守るようにしましょう。

吠え癖

ミニチュアダックスは非常に賢く、好奇心旺盛で感受性が高い反面、警戒心も強い傾向があります。

そのため、自宅のチャイム音、外の物音、知らない人の足音など、些細な刺激にも反応して吠えてしまうことがあります。

この「吠え癖」は、飼い主の対応次第で悪化することもあります。

たとえば、吠えたときに「静かにしなさい」と声をかけたり、抱き上げてしまったりすると、犬は「吠えると構ってもらえる」と学習してしまいます。

そのため、吠えている時に声掛けなどはせず、吠えていても無反応にしているほうが良いとされています。

 

無駄吠えも、人によって無駄と判断されていますが、もともとは必要とされる行動でした。

もし余裕がある状態であれば、ミニチュアダックスが元気に吠えていたら、心のなかで

「今日もお仕事頑張っているな」

と思えると良いですが、そうは簡単には思えないことが多いでしょう。

 

チャイムに関しては、音を最小限にする、あるいは違う音にするのが良いです。

またチャイムがなっても、あわてて動かずに、なってから少しして動く、くらいの動作にしましょう。

分離不安

AdobeStock_425451921もう一つのよくある困りごとが「分離不安」です。

ミニチュアダックスは非常に人懐っこく、飼い主に強い愛着を持っています。

そのため、飼い主と離れて過ごす時間が長くなると不安になり、吠え続けたり、家具をかじったり、排泄の失敗が起こることがあります。

分離不安を和らげるには、短時間の留守番から徐々に慣れさせる「留守番トレーニング」や、安心できるクレートやスペースを用意するなどの工夫が効果的です。

 

また、外出前後に過度に構わないことで、「飼い主がいない=重大なことではない」と学習させることが大切です。

背中への負担

ミニチュアダックスの胴長短足の体型は、見た目の可愛らしさと引き換えに、骨格への負担が大きく、特に「背中」へのダメージが蓄積しやすいというリスクがあります。

特に、階段の上り下りやソファからのジャンプなど、日常的な動きが背骨に悪影響を与える可能性が高くなります。

このリスクを軽減するためには、段差のある場所にはスロープを設置する、フローリングには滑りにくいマットを敷く、ジャンプを控えさせるといった日々の配慮が求められます。また、日頃の体重管理も背中の負担を軽くするために重要です。

ミニチュアダックスで気を付けたい病気

ミニチュアダックスは病気になりにくい犬種と言えるのですが、それでもやはり多い病気というものはあります。

事前に症状をしっておくと、診察を受ける目安となるので正しい知識を持っておきましょう。

椎間板ヘルニア

ミニチュアダックスといえば、真っ先に注意したいのが「椎間板ヘルニア」です。

これは背骨のクッションの役割を果たす椎間板が飛び出し、脊髄を圧迫する病気で、痛みだけでなく歩行困難や麻痺といった深刻な症状を引き起こすことがあります。

軽度であれば内服薬と安静で回復する場合もありますが、重度になると手術が必要になることもあります。

予防のためには、段差の回避、ジャンプの抑制、肥満防止が基本です

もし、歩き方がふらつく、後ろ足を引きずる、抱っこすると痛がるといったサインが見られたら、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

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外耳炎

ミニチュアダックスは垂れ耳の犬種のため、耳の中が蒸れやすく、細菌や真菌が繁殖しやすい環境です。

特に湿気が多い季節や水遊びの後などは、外耳炎のリスクが高まります。

外耳炎になると、耳をかく、頭を振る、耳から異臭がする、耳垢の色が変わるなどの症状が見られます。

放置しておくと慢性化し、難聴や中耳炎、内耳炎へと進行する可能性もあります。

そのため、耳掃除はとても大切なのですが、しかし耳掃除をすることによって外耳炎になってしまうこともあるので注意が必要です。

 

耳は綿棒を入れて掃除などすると、酷い外耳炎になります。

耳掃除は、耳の孔には手をつけず、外側に出てきた汚れだけ優しくふき取りましょう。

 

正しい耳掃除は、獣医師に直接の指導をしてもらって行うのがおすすめです。

歯周病

中高齢のミニチュアダックスで、口臭がひどいというご相談はとても多いです。

歯磨きを完ぺきにしているミニチュアダックスであれば、高齢になっても歯はぴかぴかで、歯石もなく、歯周病もないのですが、そのようなケースはごくごく稀です。

 

だいたいのミニチュアダックスは歯石の付着から歯肉炎、歯周病が酷くなり、10歳を超えるころには、ひどい口臭がするようになります。

 

長生きな犬種でもあるため、歯周病の問題は15歳や16歳でも問題になり、眼の下から膿が出るような歯根膿瘍ができることも。

 

できるだけ毎日の歯磨きをすること、そして歯石や歯肉炎があるのであれば、若いうちから歯科処置を受けるようにしましょう。

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まとめ

ミニチュアダックスは友好的で長生きの犬種であり、家庭犬としてとても優秀です。

しかし、見た目の可愛さだけでなく、特有の体型や性格、病気のリスクを理解しておくことで、愛犬の健康と幸せを長く守ることができます。

毎日の散歩や遊びの中でも、体の動かし方に注意を払い、定期的な健康チェックや体重管理を行うことで、大きな病気を未然に防ぐことができます。

ミニチュアダックスと暮らすことは、まるで個性豊かな家族が一人増えるようなもの。

困りごともあるかもしれませんが、それ以上にたくさんの笑顔と癒しを与えてくれる存在です。

大切なパートナーとして、末永く健康で幸せな時間を共有していくために、正しい知識と愛情を持って接していきましょう。

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わたしたちは創立1974年以来、愛知県名古屋市内で動物病院ペットの健康管理をトータルサポートし続けています。当院は犬・猫をはじめとする小動物の診療を主体として、トリミング、しつけ教室、ペットホテル、通信販売など、さまざまなペットケアサービスをワンストップで展開しています。
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