2025.01.16健康

寒い冬の犬の散歩で気を付けるポイントは?服は着せる?

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Adorable Boston Terrier puppy wearing a jacket outdoors in winter.
初めて犬を飼う方から多い質問の1つに、冬は寒いのですが散歩に行った方がよいですか?というものです。

その地域の寒さにもよりますし、その犬の特性にもよるので、一概に散歩に行った方が良い、行かない方が良いとも言えません。

また、洋服は着せた方が良いですか?という質問もとても多いのですが、寒そうにしている時には服を着せてあげた方が良いとお答えしますが、寒そうにしているサインというのも解り辛いようです。

この記事では、寒さに強い犬や弱い犬、洋服を着せるかどうか、寒がっているサイン、雪国での散歩の注意点、高齢の犬の散歩や甲状腺機能低下症の犬について解説します。

 

寒さに強い犬と弱い犬

寒さに強い犬はダブルコートといって二種類の毛が密に生えており、毛足は短めで、夏毛と冬毛があって抜け毛が多い犬種です。

冬毛に生え変わっていれば、防寒に適した状態になっていますので、基本的には寒さに強い状態になっています。

また大きくて太っている犬は寒さに強い傾向があります。

体が大きいほど体温が外に逃げにくいので、熱が体内にこもります。

しかし最近では暑さが厳しいこともあり、室外で飼育される犬は少なくなりました。

そのため、寒さに強い犬であっても寒さに慣れていなければ寒がりであることが多いです。

逆に寒さに弱い犬は毛がシングルコートで毛が密ではない犬です。

毛の抜け変わりもなく、トリミング犬種であることが多いです。

また毛がとても短いイタリアングレイハウンドやボストンテリアなどの犬種も皮下脂肪が少なく寒さに震えていることが多いです。

また基本的に小型犬種で太っていない犬は体温が外に逃げてしまうため寒さには弱いでしょう。

 

寒い日には犬にも洋服を着せる?

寒い日は散歩の時に犬に服を着せたほうがよいか?と聞かれることが多いのですが、着せられるなら着せても良いでしょう、と伝えています。

寒い冬で、人も厚着しているような気温であれば、室内から出た犬も寒さを感じていると想像できます。
ただ、洋服を着ることを嫌がる犬もいるので、本人(本犬)の意思や性格を尊重するようにしましょう。

洋服を着ると動けなくなる犬もいます。

歩きやすさは、洋服の素材や締め付け具合によっても異なるようですので、いくつかの服を試してみてください。

また明らかに洋服など必要のない犬種、大型犬で毛がもさもさと生えている犬、シベリアンハスキーやサモエド、秋田犬などは寒さに強いので洋服は着せないほうが良いでしょう。

若い犬に洋服を着せる上で注意しなければいけないのは、誤食できるようなパーツがないかどうかです。

装飾でボタンやリボンなどがついている場合には、それを気にして噛んでしまったり、噛みちぎって食べてしまうことがあります。

誤食の経験がある犬では、装飾の少ないシンプルな洋服が良いでしょう。

 

犬が寒がっているサイン

犬が寒がって入れば、洋服を着せてあげた方が良いですね、とコメントしても「犬が寒がっているのかどうかわかりません」と言われることも多いので、寒がっているサインについて解説します。

基本的には人と同じで、寒い時には犬も震えます。

体が冷えると、耳や足先なども冷たくなります。

寒さを感じている犬はすぐに家に入ろうとすることが多いですし、寒さが嫌いな犬では外に出たがらないことも多いです。

最初は喜んで雪の中へ入る犬でも、寒い時にはすぐに部屋へ入りたいというアピールをします。

基本的に犬が楽しそうに歩いているのであれば、寒さも気にしていないと考えられます。

それでも寒そうに見えるなら、人の心情でもありますので洋服を着せるのを試しても良いでしょう。

 

雪が降る地域での散歩の注意点

雪が降る地域の犬の散歩は少し注意が必要です。

雪を溶かすための融雪剤が道に撒いてあることがあり、それが犬の足をただれさせることがあるようです。

融雪剤が撒いてある道は避けるようにして、もし皮膚が繊細なタイプの犬であれば靴を履かせることもあります。

寒さはもちろん厳しいことが多いので、小型犬であれば散歩をしないという選択も良いでしょう。

中型犬や大型犬であれば、雪が大好きで散歩も大好き!という犬が多いです。

その場合には洋服は着せなくても良いことが多いです。

 

高齢犬は寒さに注意

高齢の犬では寒さに弱くなっていることが多いので小型犬だけでなく中型犬や大型犬でも洋服が必要なケースがあります。

特に、持病がある高齢犬は寒さによるダメージが大きくなります。

そのため室内でも、薄手の洋服を愛犬に着せている飼い主さんも多いです。

体温調節が難しくなるような高齢の犬では、朝晩の冷え込みでも体調を崩すので、洋服を着せてあげることは良いことでしょう。

ただ、高齢犬で洋服を常に着ている場合、皮膚の変化に気づくのが遅れてしまうリスクがあります。

そのため、毎日洋服を着替えるときには全身的に皮膚に問題が出ていないかを見るようにしましょう。

 

高齢な犬の冬の散歩

小型犬は高齢になると寒い環境での散歩を喜ばない傾向にあります。

犬も寒ければ外には行きたくないのです。

そこを無理に歩かせる必要は無いので、あえて寒い日は散歩へは行かなくても良いでしょう。

暖かい日、太陽が出ていて、風も少ない散歩日よりであれば、高齢犬でも外に出て気分転換をしてもらうのは良いことです。

できれば洋服も着て、寒さ対策をして外に出ましょう。

 

太っているのに寒がっている犬

本来であれば太っている犬は暑がりで寒さに強いのですが、中高齢の犬で太っているにもかかわらず寒そうに震えることがあります。

あまりにも寒がるな、元気が無いな、どんどん太っていくぞ、というときには甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)になっているかもしれません。

甲状腺機能低下症は、中高齢の犬にみられる病気で、元気がなくなり、食欲もあまりないのに太っていくというのが特徴です。

甲状腺ホルモンは元気ホルモン、あるいは若さホルモンとも言われ、これがあることによって活動的で体温も高く、元気になります。

逆にこのホルモンが少なくなると、毛は薄くなり、皮膚病もかかりやすく、活動性は低下して体温も低くなり、食べる量が少ないにもかかわらずどんどん太っていきます。

そして太っていても寒がる傾向があり、なんでこんなに震えて寒がるの?と不思議に思われていたら、甲状腺機能低下症だったということもあります。

これは病気なので、たとえ太っていても寒がりなのは仕方ありません。
病気の治療を行うとともに、寒さもしっかり対策して、外に行くのを嫌がったり、外出の時には震えるというのであれば、しっかりと洋服も着せてあげましょう。

まとめ

冬の寒いなかでも散歩に喜んで行く犬であれば、基本的に寒がっているということはないのですが、小型犬は寒さに強くはないので洋服を着せていることが多いです。

しかし洋服を嫌がる犬や、洋服のパーツを噛んで飲んでしまう犬もいるので、無理に着せるのは止めましょう。

洋服の素材や締め付け具合によっても犬のストレスになるかもしれないので、洋服は何パターンか試してみるようにします。

高齢の犬では、寒さが体調を左右するので、室内にいるときにも洋服を着せることがあります。

その場合には皮膚の変化に気づきにくくなるリスクが上がりますので、毎日皮膚のチェックをしましょう。

太っているのに変に寒がる犬では、甲状腺機能低下症の可能性があります。

寒がる様子は病気のサインかもしれないので、受診するようにしましょう。

 

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松波動物メディカル通信販売部本店公式ブログ

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わたしたちは創立1974年以来、愛知県名古屋市内で動物病院ペットの健康管理をトータルサポートし続けています。当院は犬・猫をはじめとする小動物の診療を主体として、トリミング、しつけ教室、ペットホテル、通信販売など、さまざまなペットケアサービスをワンストップで展開しています。