2025.01.24健康 , 知識

犬や猫の舌がいつもより白く見える原因はなに?

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猫や犬の舌も、人と同じようにピンク色です。

しかし、体調が悪い時には白くなったり、青くなったりと舌の色も変化するのをご存じでしょうか?

多くの飼い主さんは、愛犬や愛猫の舌の色の変化にあまり気づかないことが多いです。

それはゆっくりとした変化であったり、あるいは常に気を付けてみているものでもないからでしょう。

しかし舌の色がピンクであるのはとても大切なことなのです。

日々の診察では、舌の色がピンクであるということがどれだけ大切なのかを常に感じています。

特に慢性腎不全のある犬猫や、心臓に病気のある犬猫の飼い主さんは、いつもの舌の色がどんな色なのか、はしっかりと把握しておきましょう。

そして色の変化があればすぐに気づけるようにしておくことが大切です。

この記事では、健康の指標の一つである舌の色について解説します。

 

犬猫の舌の色はいつもピンク

舌の色は血液の色に影響を受けているので、健康な犬猫の舌はピンク色です。

あまり舌の色は気にしたことがないわ、見たことないわ。という方は今後は気にしてみるようにしましょう。

なぜなら、健康な状態の舌の色を知っておくことがとても大切だからです。

いつもの舌の色よりも白いな?と気づけるかどうかが重要です。

ただし、子犬や子猫の時は若干ピンクの色は薄いこともあります。

それでも白いかな?と心配になった時にはすぐに動物病院で見てもらうようにしましょう。

 

犬猫の舌の色がいつもより白い原因

健康な犬猫の舌の色がピンクであるのに対して、健康ではない犬猫の舌がいつもより薄いピンクや白くなってしまうのはなぜでしょうか?

犬猫の舌の色がいつもよりピンクが薄く白めになっている時は、だいたいは重度の貧血になっており、さらに追加されて脱水や低血圧にもなっていることがほとんどです。

舌の色は血の色に左右されているので、血が少なくなっているような貧血状態や、循環が悪い脱水や低血圧では舌の色はピンクではなく白めの薄いピンクになっています。

 

<舌の色が白くなる原因>

・貧血

・脱水

・低血圧

また、舌の色が白ではなく紫っぽくなって見えるときも危険な状態です。

紫の舌は体に酸素が足りていないサインです。

肺炎や肺水腫など肺に問題が出ている時、あるいは息がうまく出来ないような状態の時には、舌が青紫になってしまいます。

本人はとても苦しい状態なので、すぐに動物病院に行きましょう。

ただしチャウチャウという犬種では常に青紫の舌をしているので、これが正常な色になります。

 

<犬猫の舌が青紫に見えるとき>

・酸素が足りていないサイン

・呼吸に問題がある

・すぐに病院へ行くべきサイン

・チャウチャウは正常でも青い

Brown chow chow dog Dina in the grass.

 

犬猫の舌が白い時の検査

犬猫の舌が明らかにピンクが薄くて白が増している時、獣医師は「命に危険があるかもしれない」と判断します。

なぜ舌の色がピンクではなくなったのかの原因を探るために、以下のような検査をすることが多いです。

 

<犬猫の舌が白い時の検査>

・身体検査

・血液検査

・血圧測定

・レントゲン検査

・エコー検査

 

身体検査では舌の色や歯茎の色を確認し、心臓の音を聞いて変な音がしないか確認し、脈拍が触れるか、体温は正常かどうかを見ます。

この時点で、貧血や脱水、低血圧が疑われる時には血液検査や血圧測定へ進みます。

血液検査では、赤血球の数を見ることができますので、貧血があるか判別できます。

また、貧血があった時には、体が血を作ろうとしているのかどうかもチェックします。

そして一番大切なのは、なぜ舌が白くなるほどの貧血になっているのか、というところです。

血が作れないのか、血が体外へ出てしまったのか、あるいはお腹の中など体内に血だまりがあるのか、それによって治療が大きく異なっていくため、血が足りない原因を探るためにレントゲン検査やエコー検査を行います。

 

あまりにも貧血が酷い時には

貧血があったとしても、軽度な状態であればまだ対処できますが、すでに舌の色が真っ白で貧血も重度なケースでは、原因を探る前にまず輸血を提案されます。

輸血にはドナー(血を提供してくれる動物)が必要です。

ドナーがいる病院なのか、ドナーになれる同居動物がいるのか、ドナーを頼める犬猫仲間がいるのかはとても大切なことですので、健康な時から考えておけると良いでしょう。

 

腎臓が悪い犬猫の舌の色は大切

慢性腎不全と言われた犬や猫の場合、舌の色がゆっくりと白めになってくることがあります。

この白くなる傾向が非常にゆっくりなので、気づいた時にはかなり白く変化してしまっていることもありますが、原因は血が足りないための貧血状態によるものです。

定期的な血液検査を受けている場合には、舌がだんだんと白めに変化する原因の貧血にも気づくことができます。

慢性腎不全の犬猫は、新しく血を作る力が低下してしまっていることが多いので、貧血の傾向が出てくると、獣医師から鉄分を適切に取れるサプリメントや、必要であれば足りないホルモンを注射で足すことがあります。

貧血は腎臓への酸素の供給を減らしてしまうために、腎不全を更に悪化させてしまいます。

そのため、慢性腎不全の犬猫の飼い主さんは舌の色は注意して見るようにしましょう。

また定期的な血液検査も受けることが推奨されます。

 

心臓が悪い犬猫の舌の色は大切

心臓が悪い犬猫は、心臓から全身への血液を届けることができなくなると、舌の色が白あるいは青紫に変化します。

特に高齢の小型犬に多い僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)という心臓の病気では、悪化すると心臓から血液が送りだせずに肺に水が溜まることがあり、その時に舌が青紫になっています。

猫では、血圧が維持できないほどに心臓の動きが悪くなることがあり、その時には舌がいつもより白めになります。

貧血で舌がゆっくりと白くなるのとは異なり、心臓が原因で舌が白くなる場合はすぐに命にかかわるような状態と言えます。

舌の色以外にも、呼吸の速さや回数も大切です。

すごく心臓は悪い、重度の心臓病です、と言われている犬猫の飼い主さんは、寝ている時の愛犬や愛猫の呼吸回数を数えることを習慣にしておきましょう。

目安としては1分間に20回前後が正常です。

寝ている時に1回に30回以上の呼吸回数であれば多いので、受診するようにしましょう。

 

発作が起きたときにも舌の色が大切

その他にも舌の色をみておくと良い場面があります。

それは発作が起きた時です。

発作にも色々な種類があり、発作があったときの舌の色を知っておくと診断の手助けになります。

発作で倒れた時に無理に口を開けようとすると噛まれてしまうことがあるので、無理に見るのは危険なので止めましょう。

もし口から舌が見えているなら、発作があったときには舌の色を見るようにしよう!と心にとどめておいてもらえると良いです。

 

まとめ

舌の色は愛犬や愛猫の健康のバロメーターです。

いつもよりピンク色がうすく、白めに見えるときには貧血や脱水、低血圧があるかもしれません。

舌の色が青紫に見えるときには体に酸素が足りていないサインかもしれません。

そのため、慢性腎不全や心臓病がある犬猫ではとくに日々の舌の色を観察しておくことが大切す。

発作が起きた時にも舌の色が診断の大切なサインになることがあります。

ただ発作が出ている時に、無理に舌を見ようと口に触るのは噛まれることがあるので止めましょう。

いつもの舌の色を知っておくということが、変化に気づく大切なポイントになります。

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松波動物メディカル通信販売部本店公式ブログ

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わたしたちは創立1974年以来、愛知県名古屋市内で動物病院ペットの健康管理をトータルサポートし続けています。当院は犬・猫をはじめとする小動物の診療を主体として、トリミング、しつけ教室、ペットホテル、通信販売など、さまざまなペットケアサービスをワンストップで展開しています。