2020.02.29動物病院 , 知識

動物病院に行く前に(連載2回目)

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スマホを使う女性

こんにちは!松波動物病院メディカルセンター獣医師の松波登記臣です。今回は『動物病院に行く前に(連載2回目)』をお届けします。

前回の『動物病院に行く前に(連載1回目)』→コチラから

連載2回目の今回は、“病気および症状について事前に調べるのは必要or不必要?”について書いていきたいと思います。

 

動物病院に行く前に、ペットの病気や症状について事前にネットで調べることは恐らくあると思います。その行為については賛否両論あるかと思いますが、私はそこまで否定的ではありません。自分自身が病気になったときのことを思い返せば、責められる身分ではありませんし。しかしながらこの行為には注意が必要となります。以下にまとめてみました。

 

1. SNSや個人ブログなどに行き着いたらページを閉じましょう
2. 動物病院にホームページに行き着いても全て信じないようにしてください
3. とある学会に書かれている“診療ガイドライン”に行き着いたら参考程度にとどめておきましょう
4. しかしながら上記で一番優先するのは3の学会からの情報です

 

上記でも紹介した1については言うまではありませんが、SNSや個人ブログに正しい情報はまず掲載されていません。闘病中のワンちゃんやネコちゃんの情報は確かに貴重ですし、共感を呼び込むことには違いありません。しかしながら書かれているそれはあくまでも個人的な感想であり、自身のペットに起こっていることではありませんので、あまり閲覧しないようにしてください。また2の動物病院に書かれている情報もそうですが、獣医師が書いているからと言って全てが正しい情報だとは限りません。その獣医師に学会など公的機関に役職など社会的地位があろうがなかろうが、です。但し、その獣医師自身が専門医であったり(それと匿名ではない)、また自身で紹介している情報に関連する出典や参考文献なども紹介されていた場合に限り、その情報の信憑性はかなり上がります。全ての動物病院がそれを行っているかはわかりませんが、一つの指標になるかと思います。個人的に一番優先してほしいのは、学会など公的機関からの情報になります。理由はシンプルで、そこで紹介されている“診療ガイドライン”などの全ては標準治療であるからです(科学的根拠が非常に高い情報)。しかしながら、利便性は低く、例えば見にくかったり、情報を探しにくかったりします。。しかしながら、私はあえて言います。「情報は正確さ」が一番大事です、よ。

医学論文

私自身も、SNSなどで情報を発信していたり、このようなブログで有益になるであろう情報を発信しています。上記にも触れたような出典や文献の情報も掲載しているときとしていないときがありますが、学術的な話をがっつりするとき以外はあえて載せないようにしています。理由はいくつかありますが、文献情報を載せすぎると、読まれなくなったり、ページを閉じられてしまったりする確率があがると言われています。あぐらをかいていると言われてしまったらそれまでですが、私は匿名な獣医師でもありませんし、所属も明らかになっているので、そこをまず信用していただければ幸いです。私が発信する情報は、“科学的根拠が高い”ものしか発信しませんので、ご安心ください

 

今回連載2回目のテーマ“病気および症状について事前に調べるのは必要or不必要?”ですが、結論、『ググる前にかかりつけ医へ』です。上記でも触れたネットなどに頼る情報収集は、結果、自身の頭の中で情報氾濫を引き起こしてしまいます。いつもお世話になっている獣医師の先生があなたの近くにはいますから、まずはかかりつけ医に相談しましょう。次回の連載3回目のテーマも類似していますが、“闘病中のときペット仲間(友人)に相談すべき?”をテーマに書いていきたいと思います。

 

松波動物病院メディカルセンター
獣医師 松波登記臣

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獣医師 松波登記臣

獣医師 松波登記臣

名古屋市にある松波動物病院メディカルセンター副院長の松波登記臣です。臨床獣医師として毎日診療および手術を担当しています。専門分野は、内分泌疾患(糖尿病、クッシング、甲状腺)や肝臓疾患で学位を取得しました。また近年では「痛みが少なく・傷が小さい」内視鏡手術に取り組んでおり、腹腔鏡を用いての避妊手術や各種生検、さらには胆嚢摘出、副腎摘出、肝葉切除などを行っています。