子猫を保護したらどうする?
春から秋にかけてが猫の繁殖シーズンとなり、子猫が生まれる季節です。
外の猫の出産は初夏に一回目のピークがあり、二回目の出産シーズンとして秋に再度出産が増える傾向があります。
ただし、秋は雨が降るなど天候によって気温が急激に下がることがあるので、体温調節が不十分な子猫は、母猫からはぐれると体温低下によって命にかかわる状態になっていることもあります。子猫を保護して、すぐに動物病院へ連れて行くのも一つの選択肢ですが、病院が開いていない時間帯だった場合は大変です。
この記事では、子猫を保護してしまったときにどうしたら良いのかを解説します。
子猫を保護しやすい季節
猫の繁殖シーズンは、基本的に太陽の出ている時間が長い時期である3~9月です。
これは猫が長日発情という太陽の出ている長さによって発情が誘発される動物だからです。
猫の妊娠期間は2ヶ月ほど(63~68日)のため、5月~7月に初回の出産シーズンのピークを迎えます。
その後に一回目の出産の子猫が離乳して、同年の間に再度に二回目の妊娠することも多く、二回目の出産は9月~10月になります。
11月にも保護される子猫はいるのですが、この頃には気温が下がってきているので低体温で保護される子猫も増えます。
<猫の出産>
・5月~10月が多い
・遅い出産では11月になることもある
・秋の出産では子猫が低体温になることもある
その子猫は何歳?
生まれたばかりの子猫なのか、もう離乳している子猫かなど、その子猫の日齢(生まれて何日なのか)によって、保護するために必要なものが違ってきます。
そのため、だいたいの目安で日齢を判断する基準を知っておきましょう。
<子猫の日齢の目安>
・へその緒がついている:0-3日
・目が開いていない:0-7日前後
・耳が開いていない:0-10日前後
・歩く仕草が出る:7-14日
・自力で歩ける:14-21日
・歯が生える:3-4週
この温度管理が子猫の生存の鍵となることが多いです。
しかも暑すぎても子猫は苦しくなってしまうので、温めると同時に暑くなり過ぎないように、こまめに注意しましょう。
すぐに子猫を病院へ連れて行く?
子猫が衰弱している場合は、保温しながらすぐに動物病院へ行かなくてはなりません。
子猫が元気なく、病院へ行かなくてはいけないと判断する目安は以下のサインがあるかどうかです。
<保護した子猫の危険なサイン>
・鳴かない
・動かない
・呼吸が小さい
・冷たい
弱ってしまっている子猫にはノミやダニがついている可能性が高いので、素手で触らずに柔らかいタオルでつつんで保護しましょう。
寒い気温であればタオルの外側からカイロを当てるなどして温めつつ、動物病院に連れていきます。
子猫にミルクをあげる時の注意
歯が生えていない子猫であれば、基本的に哺乳が必要です。
衰弱してない元気な子猫で、ミルクを飲ませる必要がある日齢だった時には子猫用の粉ミルクを与えましょう。
衰弱している子猫であれば、すぐに粉ミルクを与えるのは危険です。
また、飢餓状態で低血糖になっている子猫でぐったりしていると、心配で砂糖水や粉ミルクを与える人がいるのですが、実はこれは危険なことです。
飢餓状態だったところに、急に栄養が体に入ってくると、痙攣を起こして死んでしまう子猫がいるためです。
そのため元気が無い子猫であれば、家で何かやろうとせずに、とにかく早く保温をして動物病院に行きましょう。
<子猫の哺乳で大切なこと>
・ぐったりしている子猫にすぐに砂糖水をあげるのはダメ
・元気がないなら哺乳の前に受診が必要
・元気な子猫で歯が無い時には哺乳を開始
・必ず子猫用の粉ミルクを使用
すでに猫を飼っている人は
すでに猫を飼育している人は、子猫を保護してすぐに家に連れて帰るのは危険かもしれません。
なぜなら、外で生活している猫はノミやダニ、お腹の寄生虫がついていることも多いためです。
ただしノミやダニ、お腹の寄生虫はお薬で治すことが可能です。
怖いのは、病気の元になるウイルスに感染している子猫もいるところです。
ウイルス感染症は治すことが難しいものが多いです。
保護した子猫から、先住の猫に病気が移ってしまっては大変です。
家の中でも最初は子猫を隔離しておきましょう。
そのため、先住の猫がいる人は、保護した子猫をすぐに家に連れて行くのか、あるいは動物病院で保護してもらうべきなのかを考えましょう。
<先住猫がいる時は>
・保護した子猫から病気や寄生虫が先住猫にうつる可能性がある
・まず子猫は動物病院に連れて行く
・先住猫にうつるような病気がないか確認してもらう
・確認ができるまでは家の中では子猫を隔離しておく
・必要であれば子猫は入院させておく
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保護した子猫を動物病院に連れて行くメリット
元気のない子猫はすぐに動物病院に行かなくてはいけませんが、元気で食欲もあり、何も病気はなさそうな子猫を保護した時にも、すぐに動物病院に連れて行くメリットはたくさんあります。
<動物病院に連れて行くメリット>
・ノミやダニ、お腹の寄生虫を駆虫してもらえる
・カビによる皮膚炎のチェック
・だいたい何日齢かを教えてもらえる
・哺乳が必要か教えてもらえる
・ワクチン接種プログラムを作ってもらえる
・ウイルス感染症の検査をしてもらえる
家に先住猫がいる場合には、検査や駆虫(むしくだし)が完了するまで動物病院で預かってもらうのも一つのメリットです。
何も症状がなくても、保護した子猫は何か病気をもっているということもあります。
人に移る病気もありますので、元気な子猫であっても保護したらすぐに動物病院に連れて行きましょう。
最近では、STFS(重症熱性血小板減少症候群)という猫やダニから人に移る怖い病気も増えてきています。
住んでいる地域でSFTSが発生していないかは調べておきましょう。
まとめ
外で生まれたばかりの子猫を保護した時には、まずは衰弱していないかを確認しましょう。
衰弱している時には、柔らかいタオルで包んで保温しながらすぐに動物病院に連れて行きます。
ただし、首輪などがついている場合には、他の人が飼っている子猫かもしれないので、そこも確認が必要です。
外で暮らす猫には、様々な寄生虫や感染症が隠れているため、それが人や先住の猫に移ってしまう可能性があるので、家に入れる前に動物病院で診察を受けてもらうことをお勧めします。
しかし拾ったばかりの子猫であっても、動物病院を受診すれば料金はしっかりとかかってきます。
検査や治療については、ペットショップにいる子猫よりも多くかかることが多いです。
子猫を保護するときには、保護することによって金銭的な責任も負うということも年頭に入れておきましょう。
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