冬の運動不足が招く犬猫の爪トラブルと適切なケアについて

冬の季節は、人間と同様に犬や猫の生活リズムにも大きな変化が現れます。
特に散歩の時間が短くなったり、室内で過ごす時間が増えたりすることで、ペットの健康管理において見落としがちなのが爪のケアです。
爪は単なるアクセサリーではなく、動物たちの歩行や姿勢、そして全身の健康を支える重要な部位です。
ここでは、冬場に爪が伸びやすくなる背景を踏まえ、チェックの目安や放置することのリスク、適切なケア方法について詳しく解説します。
冬に爪が削れにくくなる理由
犬の場合、アスファルトの上を歩くことで自然と爪が摩耗し、適切な長さを維持しているケースが多く見られます。
しかし、冬場は外気温の低下や積雪、路面の凍結などにより、散歩の距離や回数が減る傾向にあります。
また、運動量が落ちることで一歩一歩の踏み込みが弱くなり、摩擦による研磨効果が十分に得られなくなります。
猫の場合も、冬は暖かい場所で丸まって寝ている時間が長くなり、活発に上下運動をしたり爪とぎを行ったりする頻度が減ることがあります。
このように、季節的な活動量の低下が、爪の伸びすぎを招く大きな要因となります。
爪のチェックの目安
犬の場合、最も分かりやすい指標は歩行時の音です。
フローリングなどの硬い床を歩く際に、カチカチという爪の当たる音が聞こえ始めたら、それは爪が伸びすぎているサインです。
理想的な長さは、四肢で立った状態で爪の先端が地面に触れない程度とされています。
また、肉球の間に生えている毛に爪が隠れて見えにくくなっている場合もあるため、定期的に足裏を触って確認する習慣をつけることが大切です。
猫の場合は、犬よりも爪が鋭く、鞘の中に隠れる構造をしています。
そのため、リラックスしている時に指の付け根を軽く押し、爪を露出させて確認する必要があります。
チェックのポイントは、爪が丸く湾曲し、先端が鋭利になりすぎていないかという点です。特に高齢の猫は、自分で爪とぎをする力が弱まったり、爪の層が厚くなって剥がれ落ちにくくなったりするため、若齢期よりも頻繁な確認が求められます。
また、カーテンや絨毯などの布製品に爪が頻繁に引っかかるようになるのも、ケアが必要な合図です。
爪が伸びすぎリスク
爪が伸びすぎることで発生するリスクは多岐にわたります。
まず挙げられるのが、身体構造への悪影響です。
爪が長くなると、地面に対して指が正常な角度で接地できなくなります。
これにより、指の関節や手首、さらには肘や肩に過度な負担がかかり、関節炎や歩行困難を引き起こす原因となります。
特に骨格が固まっていない成長期や、筋力が低下している老齢期においては、わずかな爪の伸びが姿勢を大きく崩し、慢性的な痛みに繋がることがあります。
さらに怪我のリスクもあります。
伸びすぎた爪は、カーペットの繊維や家具の隙間に引っかかりやすくなります。
パニックになって無理に引き抜こうとすることで、爪が根元から折れたり、剥がれたりする事故が頻発します。
爪の内部には神経と血管が通っているため、こうした怪我は激しい痛みと出血を伴います。
また、巻き爪の状態が悪化すると、爪の先端が湾曲して自分自身の肉球に刺さってしまうことがあります。
これを放置すると、傷口から細菌が入り込み、化膿や炎症を引き起こして歩行不能に陥る恐れがあります。
家族にケガをさせるリスクも無視できません。
鋭い爪は、飼い主とのスキンシップの最中に意図せず皮膚を傷つける原因となります。
特に抵抗力の弱い子供や高齢者がいる家庭では、ひっかき傷から感染症を招くリスクもあります。
また、室内の家具や壁紙、畳などが損傷し、生活環境の維持が困難になることも考えられます。
冬の爪ケア
犬や猫の爪のお手入れは、彼らの健康と安全を守るために欠かせない日常的なケアのひとつです。
家庭でスムーズに爪切りを行うためには、まず道具の選定と、動物たちが足先に触れられることに慣れる準備から始める必要があります。
爪切りに慣れる練習
足先は神経が集中しており非常に敏感な場所であるため、日頃からスキンシップを通じて足裏や指の間に触れられることに慣れさせておくことが大切です。
足先に触られることを嫌がる動物は多いため、おやつを与えながら少しずつ足を触る練習をし、爪切りに対する恐怖心を取り除くことが第一歩です。
一度に全ての爪を切ろうとせず、今日は一本だけというように、ペットのストレスにならない範囲で進めるのがコツです。
爪切りの道具
道具については、ペット専用の爪切りを用意することが基本です。
人間用の爪切りは爪を横から押し潰すような力が加わり、動物の硬く丸い爪には適していません。
犬や猫には、ハサミのような形状のハサミ型や、輪の中に爪を通して切るギロチン型、または少しずつ削ることができる電動やすりなどがあります。
猫や小型犬にはハサミ型が扱いやすく、中大型犬には力が入りやすいギロチン型が選ばれることが多いです。
爪切りの手順
実際の手順として、まずはペットをリラックスさせることが重要です。
無理に押さえつけるのではなく、優しく声をかけながら、膝の上に乗せたり横に寝かせたりして安定した姿勢をとらせます。
爪を切る際は、爪の内部に通っている血管と神経を確認します。
白い爪の場合は、透かして見るとピンク色に見える部分が血管です。
この血管の数ミリ手前までを切るように心がけます。
一方で黒い爪の場合は、外側から血管の位置を確認することができません。
そのため、先端から少しずつ数回に分けて慎重に切り進める必要があります。
切り口の断面が白っぽく乾いた状態から、中心部が少し湿ったような透明感のある組織に変わってきたら、それが血管の近くまで到達したサインです。
万が一、深爪をして出血させてしまった場合に備え、止血剤をあらかじめ用意しておくことも忘れてはいけません。
出血した際は慌てず、清潔なガーゼで圧迫したり止血剤を塗布したりして対応します。
飼い主さんが動揺するとペットも不安を感じて爪切りを嫌がるようになるため、常に冷静に振る舞うことが求められます。
爪を切り終えた後は、切り口が鋭利になっている場合があるため、やすりをかけて滑らかに整えるとより安全です。
これにより、絨毯への引っかかりや、飼い主の皮膚を傷つけるリスクをさらに軽減できます。
一度に全ての爪を切ろうとせず、集中力が切れる前に数本ずつ、数日に分けて行うのも有効な方法です。
一本切るごとにおやつを与えたり、褒めたりすることで、爪切りは良いことが起きる時間だと認識させることが、長期的なケアを成功させる鍵となります。
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専門家に任せる
どうしても自宅で行うのが難しい場合は、専門家に依頼し、安全を最優先に考えることも賢明な判断です。
もし飼い主が自分で行うことに不安がある場合は、無理をせず動物病院やトリミングサロンなどの専門家に相談することをお勧めします。
専門家によるケアは、爪の長さを整えるだけでなく、足腰の健康状態や皮膚の異常を早期に発見する機会にもなります。
冬という季節は、ペットの活動が静かになる時期だからこそ、飼い主の細やかな観察力が問われます。
当院でもトリミングを行っています。
シャンプー、カットの他に部分的なお手入れでもご利用いただけます。
詳細はこちらよりご確認ください。
まとめ
爪のチェックを週に一度の習慣に組み込むことで、多くのトラブルを未然に防ぐことができます。
一見小さな爪の伸びが、全身の健康を左右することを認識し、愛犬や愛猫が快適に冬を越し、春に元気に走り回れるような準備を整えてあげることが大切です。
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