柴犬あるある問題について獣医師目線で答えます!
柴犬は常に人気ランキングの上位にいる犬種です。
一代目が柴犬であれば二代目も柴犬を迎えるという飼い主さまも少なくありません。
しかし柴犬は他の小型の洋犬品種と異なり、柴犬特有の性質があります。
今回は柴犬さんに多いお悩みについて獣医師目線で回答していきます。
名前:ハチ
ペットの種類:柴犬
年齢:4歳
性別:オス(去勢済)
柴犬の室内トイレ拒否問題
ママは家トイレができるようになってほしいみたい…(嫌だけどw)
嫌なものは嫌なので、雨が降っても雪でも暴風でも、少しの時間だけでも外に出て排泄させてあげましょう!
柴犬は綺麗好きなことが多く、自分の寝る場所の近くでは排泄をしません。
散歩に出て排泄することを覚えると、その傾向はさらに強くなり、室内では絶対に排泄しない!というケースも多いです。
丸一日は普通に排泄をしないで我慢してしまうので、膀胱炎にならないか心配になるほどです。
カッパを着て暴風雨のなかでも散歩をしている柴犬は多いです。
柴犬が家の中で排泄するのは本能的に無理があるのです。
柴犬(ハチ)の気持ちを考えてみる
ここでまず柴犬の気持ちを考えてみましょう。
4歳の柴犬ともなれば立派な大人です。
すでにトイレも習慣化したものがあり、自分の意思もしっかりとあるでしょう。
人も大の大人がトイレではない部屋で、たらいで排泄しろ!と言われても戸惑うと思います。
しかもそのたらいが、布団の近くにおいてあったらどうでしょうか?
絶対に嫌だ!!と限界までそこで排泄するのを我慢するのではないでしょうか。
例えば雨に濡れても、室外のトイレまで行きたいと思うでしょう。
柴犬は、人と同様にこのような思考を持ち合わせているのです。
賢さと綺麗好きの特徴があるゆえに「寝る場所の近くのトイレじゃない場所で排泄するなんて、絶対に嫌!!」と思っています。
柴犬にとってのトイレとは、ペットシーツではないのです。
人が犬のトイレとして提供しているものは、人にとって都合のよいペットシーツとトレーですが、それは犬にとっての魅力的なトイレ場所ではない。ということも知っておきましょう。
ハードルは高いけれど柴犬に家で排泄してもらう工夫
本能的に室内では排泄しない柴犬であっても、どうしても室内トイレでしてほしい!というときのトレーニング方法の提案です。
- 外で排泄している時に、ペットシーツをそっと下に敷く
- 排泄しそうな時にワン・ツーあるいはシーシーなどの声掛けを行う
- 排泄したら褒める
上記の行動を繰り返し行いましょう。
さらに以下の工夫も追加していきます。
- おしっこの匂いのついたペットシーツを玄関か、ベランダなどに敷く
- 朝一番に玄関かベランダのペットシーツに連れて行き、ワン・ツーなどの声掛けをする
- 何かのはずみで、室内のペットシーツの上に排泄したらご褒美をあげる
このトレーニングで重要なところは、室内トイレとする場所の選定です。
だいたいは、ベランダなど室内とは言えないようなぎりぎり外のような場所が良いです。
諦めずに年単位でトレーニングしていくことで、習慣化できる可能性もあります。
拒否柴問題
毎朝、会社に遅刻しそうなママが対処法を知りたいみたい!
本当に柴犬に多いお悩みで、仕方がないので抱っこして散歩から帰るという飼い主さんも多いです。
柴犬は意思が固く、強いです。
こうと決めたら梃子でも動かないという性格の子も多いです。
拒否柴の原因を考える
拒否柴の原因は性格なのですが、動かない!と決めたその理由を考えることは対処する上においてとても大切です。
<拒否柴の原因となるもの>
- もっと匂いをかぎたい
- もっと歩きたい
- その方向へ行きたくない
- 疲れた
- 体調不良
他の犬種よりも散歩中に動かなくなることが多いのが柴犬ですが、それは自分の意思がしっかりとあり、飼い主さんよりも自分を優先しているためだと言われます。
他の犬種であれば「仕方ないな、飼い主さんがああ言ってるなら行くか」となるところ、柴犬は「こうしたい!絶対にこうしたいんだ!」と行動を曲げません。
しかし意思が強いのも柴犬の魅力です。
拒否柴の対策
散歩中に動かなくなってしまうという犬に対して、よくお勧めされるのがアイコンタクトのトレーニングです。
つまり、歩いている時に目を合わせたら褒める、ご褒美をあげる、ということを繰り返していると、犬は飼い主さんの方をちらちらと見て意識するようになり、散歩の主導権が飼い主さんにある状態になりやすい、ということです。
また、拒否柴をして、そこで飼い主さんが折れてしまうと、柴犬は「あ!こうすれば思い通りになるのか!」と学習して、飼い主さんの言うことを無視するようになります。
ちょっと拒否しても自分の意思が通らないという経験を重ねていくと、拒否柴には意味がないと学習してくれます。
最終手段として皆様が行っているのは、「抱っこして帰る」という方法です。
もう歩かないので、抱っこして帰っている飼い主さんはとても多いです。
引きずっても歩かないし、人目もあるし、もう抱き上げて帰るしかない、というものです。
暑い時期の散歩では、散歩の後半では梃子でも動かないという柴犬が多発します。
暑さもあって、もう歩けないのでしょう。
対策として、犬用カート(サンシェード付き)を持っていき、帰りはそれに柴犬を乗せて帰宅するというものです。
体調不良がある場合にも、犬は散歩の途中で動かなくなってしまうことがあります。
これの見極めはとても難しいのですが、今までもずっと拒否柴を発動していたパターンでは体調不良などではなく、習慣である可能性が高いです。
中高齢になって、今までそんな行動は取らなかったのに、散歩の後半では歩かなくなるという場合、少し休んだらまた歩けるようになる、ハアハアしてとても疲れている様子がある、という場合には、心臓の問題や関節の問題が隠れているかもしれないので、受診するようにしましょう。
草を食べて吐く
細い草を食べて、そのあとに草と胃液を一緒に吐くという動作をする犬は多いです。
細い草を食べる理由
吐き気や空腹と関連していることが多いです。
細い草を食べるから吐くのか、胃がむかむかしているから細い草を食べるのか、空腹だから草を食べて吐いてしまうのか、判然とはしていません。
ただ、食後のお腹がいっぱいの時に草をむしゃむしゃ食べるケースは少ないので、草を食べたくて食べているのではないと考えられます。
細い草を食べないといられない、という状況で食べているのでしょう。
細い草をたべても良いのか?
細い草の種類にもよりますが、イネ科の雑草であればそれ自体に毒性はないことが多いです。
また除草剤や農薬がまかれている草もあるので、道端の草は食べさせないほうが良いでしょう。
まとめ
和犬に多いのですが、柴犬は自分の意思がしっかりとしていて、綺麗好きで、繊細なメンタルをもっています。
他にも雷の日にはパニックになったり、強風の日には下痢になったり、爪切りでは絶叫したり、抜け毛がものすごいために皮膚病と間違われたりと柴犬あるあるはとても多いです。
愛すべき柴犬の特徴ばかりなので、上手く人がそれに合わせるようにしましょう。
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