犬が痒がるときの原因はマダニ?注意したい犬の皮膚病
散歩から帰ってきたら、なぜか犬が痒そうにしていた経験はありませんか?その場合、犬が痒がっている部分にマダニが張り付いている可能性があります。すみやかに確認して適切な対処をし、犬の健康を守りましょう。
今回は、注意したい犬の皮膚病についてお伝えします。
マダニとは?
マダニとは、人や動物を刺して、体がパンパンに膨らむまで血を吸い続ける寄生虫です。春から秋にかけて、主に草むらや公園に生息しています。
庭で飼っている犬はもちろん、室内飼いでも散歩中に刺されてしまうことがあるため注意が必要です。
マダニは動物の皮膚にくっつくと、皮膚を切り裂いて傷口に口下片と呼ばれる尖った歯を入れます。その際、接着剤のような働きをする唾液を一緒に注入するため、一度張り付いたマダニを除去することは容易ではありません。
このように、マダニは感染症や皮膚病を引き起こす原因にもなる厄介な虫です。
マダニが引き起こす病気
マダニによって引き起こされる病気には以下があります。
皮膚炎
刺された際に皮膚に注入されるマダニの唾液は、アレルギーを引き起こす原因です。そのため、マダニに寄生すると、刺された部分がアレルギー性皮膚炎を起こすことがあります。
一度アレルギーが起こると完治が難しくなるため、注意しましょう。
貧血
マダニに血を吸われることにより貧血を起こす犬もいます。特に子犬や栄養状態の良くない犬の場合は衰弱しやすいため、気をつけてください。
貧血を引き起こしている場合、歯茎が白くなる傾向があります。犬に元気がない場合は歯茎を確認しましょう。
バベシア症
マダニがバベシアという原虫を持っていた場合、バベシア症にかかるおそれがあります。
バベシア症は、貧血・発熱・嘔吐といった症状があり、一度発症すると完治は困難です。最悪の場合死に至ることもあります。
ライム病
ライム病とは関節が腫れたり、発熱や神経過敏を引き起こしたりする病気です。マダニがボレリア菌を持った野生動物を刺していた場合に感染することがあります。
人にもうつるおそれがあるため、注意しましょう。
Q熱
Q熱になると、コクシエラ菌によって肺炎や急性肝炎、発熱といった症状が出ることがあります。
犬は無症状であることが多いですが、人間にうつった場合は高熱や筋肉痛のような症状が起こるため、犬から感染しないように気をつけましょう。
野兎(やと)病
野兎病にかかると、発熱や下痢、肺炎の症状が引き起こされます。
吸着されたときに感染する他、マダニを誤ってつぶしてしまった場合にも体液から感染することがあるため、マダニの取り扱いには十分注意してください。
マダニを除去する方法
飼い犬にマダニが付いていた場合、慌てて取ろうとしてしまう方も多いですが、無理やり引き抜くとマダニの口だけが皮膚に残ってしまう可能性があり危険です。また、引き抜く途中でマダニをつぶしてしまうと、マダニの体液が逆流して体内に入ってしまったり、タマゴが飛び散ったりするおそれもあります。
マダニの頭部が体に残ると重い皮膚炎を起こす可能性があるため、できれば動物病院でマダニを除去してもらうことをおすすめします。自分でマダニをうまく除去できたと思った場合でも、病院で感染症にかかっていないかどうか、診察を受けましょう。
マダニを駆除する方法
飼い犬をマダニから守るために、あらかじめ対応策をとっておくこともできます。
例えば、飼い犬の皮膚に塗布することで、マダニが飼い犬に咬みつく前に駆除する「マダニ駆除剤」を使用しても良いでしょう。スーパーなどで買える医薬部外品と動物病院で処方してもらう医薬品の2種類があり、医薬品のマダニ駆除効果(新規の寄生)は約1カ月持続します。
マダニ駆除剤をご使用になる際は、かかりつけの獣医師にご相談の上、お使いになることをおすすめします。
おわりに
マダニに刺されると、痒がるだけでなく深刻な皮膚炎や感染症を起こす可能性もあります。症状によっては人間にうつる可能性もあるため、注意が必要です。
マダニによる被害を防ぐためにも、散歩中はなるべく草むらに近づかせないようにしましょう。万が一、犬が草むらに入ってしまった場合は、帰宅後にマダニが付いていないか確認して飼い犬の健康を守ってあげてください。
適切な対策をして、マダニによる被害を防ぎましょう。
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