ペットの涙やけの原因は?正しいケアについて知ろう!

涙やけという言葉は、愛犬や愛猫と一緒に暮らす方にとって非常に身近であり、同時に多くの方が頭を悩ませる問題でもあります。
目の周りの毛が茶褐色に変色してしまうこの現象は、単なる見た目の問題だけでなく、動物たちの健康状態や生活環境、さらには体質的な要因が複雑に絡み合って発生するものです。
この記事では、涙やけの正体、なぜそれが起こるのかという根本的な原因、そして家庭でできる具体的なケア方法について詳しく解説していきます。
涙やけとは?
涙やけとは何かという点から整理していきましょう。
涙やけの正式な名称は流涙症に伴う被毛変色といえます。
本来、涙は眼球の表面を潤し、ゴミを洗い流すなどの重要な役割を果たした後、目頭にある小さな穴から鼻の奥へと流れていく仕組みになっています。
しかし、何らかの理由で涙が目から溢れ出し、目の周りの毛が常に濡れた状態が続くと、涙に含まれる成分が酸化したり、湿った環境を好むバクテリアが繁殖したりすることで、毛が赤茶色に変色してしまいます。
これが涙やけの正体です。特に白い毛の犬種や猫種では非常に目立ちやすく、一度染まってしまった毛は洗浄してもなかなか元の色には戻りません。
涙やけの原因
次に、なぜ涙やけが起こるのかという原因について見ていきましょう。
原因は大きく分けて三つのカテゴリーに分類できます。
涙やけができやすい構造
一つ目は、体の構造上の問題です。
これは先天的な要因が多く、後述しますが鼻が短い短頭種と呼ばれる犬種や猫種に多く見られます。
鼻涙管という涙の通り道が生まれつき狭かったり、途中で詰まっていたり、あるいは屈曲していたりすることで、涙がうまく排出されずに外へ溢れてしまうのです。
また、逆さまつげや眼瞼内反症といった、まつげやまぶたが眼球を刺激する構造になっている場合も、刺激によって過剰に涙が分泌され、結果として涙やけを引き起こします。
涙やけになりやすい体質
二つ目の原因は、食事やアレルギーといった体内環境の問題です。
食べ物に含まれる添加物や、その個体にとって消化しにくいタンパク質などが原因で、老廃物が体に溜まりやすくなり、それが涙の質を変化させたり、鼻涙管を詰まりやすくさせたりすることがあります。
また、花粉やハウスダストなどの環境アレルゲンに対する反応として、涙の量が増えることも珍しくありません。
特にドッグフードやキャットフードの切り替え時期に涙やけが悪化する場合は、食事内容が体に合っていない可能性が考えられます。
涙やけになりやすい環境
三つ目の原因は、生活環境や衛生状態です。
空気が乾燥していたり、逆に湿気が多すぎたりする場合や、部屋の掃除が不十分で埃っぽい環境にいると、目の粘膜が刺激を受けて涙が出やすくなります。
また、細菌の繁殖も大きな要因です。一度濡れた毛をそのままにしておくと、そこが菌の温床となり、変色をさらに加速させるという悪循環に陥ります。
涙やけが多い犬種と猫種
涙やけが発生しやすい犬種や猫種には、顔の構造や毛色において共通の特徴があります。
犬種で代表的なのは、トイ・プードル、チワワ、マルチーズ、ポメラニアンなどの小型犬です。
これらの犬種は先天的に鼻涙管が狭かったり、詰まりやすかったりする個体が多く、涙が溢れやすい傾向にあります。
また、パグやシー・ズー、フレンチ・ブルドッグといった短頭種も注意が必要です。
鼻が短いため眼窩が浅く、目が外気に触れる面積が広いために刺激を受けやすく、さらに目元のシワに涙が溜まりやすいため、菌が繁殖して重度の涙やけに発展することがあります。
マルチーズやホワイト・スイス・シェパードのように被毛が白い犬種は、少量の涙でも変色が目立ちやすいため、より一層の注意が払われます。
猫種においては、ペルシャ、エキゾチック・ショートヘア、ヒマラヤンなどの鼻ペチャな顔立ちをした短頭種が最も涙やけを起こしやすいとされています。
これらの猫種は顔の骨格上、鼻涙管が屈曲していることが多く、構造的に涙が排出しにくいのが特徴です。
また、スコティッシュフォールドなども、顔の丸みが影響して涙やけが見られることがあります。
これらの犬種・猫種と暮らす際は、日頃から目元の清潔を保つ習慣が欠かせません。
涙やけに対するケア
それでは、こうした涙やけに対してどのようなケアを行えばよいのでしょうか。
ふき取り
最も基本的かつ重要なのは、こまめな拭き取りです。
涙が溢れていることに気づいたら、清潔なコットンやガーゼ、あるいは専用のウェットシートを使って、優しく水分を吸い取ってあげましょう。
このとき、強くこするのは禁物です。
目の周りの皮膚は非常に薄くデリケートなため、摩擦によって炎症を起こすと、さらに涙の量が増えてしまいます。
ポンポンと軽く叩くようにして、常に乾いた状態を保つことが、細菌の繁殖を抑える近道となります。
食事の変更
食事の改善も有効なアプローチの一つです。
消化に良い高品質なタンパク質を使用しているフードを選んだり、添加物の少ないものに切り替えたりすることで、体内の老廃物が減り、涙の通り道がスムーズになるケースがあります。
また、水分摂取量を増やすことも大切です。水分をしっかり摂ることで代謝が上がり、老廃物の排出を促す効果が期待できます。
ドライフードだけでなく、ウェットフードを混ぜたり、飲み水を工夫したりして、体質改善を試してみましょう。
マッサージ
さらに、マッサージを取り入れるのも効果的です。
目頭のあたりにある鼻涙管の入り口付近を、指の腹で優しく揉みほぐしてあげることで、詰まりが解消されやすくなることがあります。
もちろん、嫌がる場合は無理に行わず、リラックスしている時間に短時間から始めてみてください。
受診が必要な涙やけ
家庭でのケアには限界があることも忘れてはいけません。
もし目の充血が見られたり、痛がっていたり、あるいは涙が止まらないといった症状が激しい場合は、速やかに動物病院を受診してください。
逆さまつげの処置や、鼻涙管の洗浄、消炎剤の点眼など、専門的な治療が必要なケースも多々あります。
特に、涙が透明ではなく黄色や緑色がかっている場合は、感染症の疑いがあるため注意が必要です。
実際に診察で診た涙やけのケース
子犬のときには涙やけがとても多かったマルチーズさんで、成犬になって皮膚炎のために低アレルゲン系のフードに切り替えたタイミングで、涙やけがかなり少なくなった経験があります。
成犬になって鼻涙管も広がったために良化した可能性もありますが、フード変更で涙やけの軽減効果を感じることがあります。
次に、小さなころからずっと涙やけが出てしまうという日本猫さんで、皮膚炎の関係で免疫を調節するお薬を服用した結果、涙やけもかなり軽減したというケースもありました。
アレルギーの体質が関連していた涙やけだったのか、あるいは鼻涙管の腫れが引いて、涙が溢れなくなったのかもしれません。
涙やけを治そうとして治療をしても、あまり完治することは期待できないのですが、他の治療の結果で涙やけも軽減する、という経験が多いように感じます。
まとめ
涙やけは、一朝一夕で治るものではありません。
長年の体質や構造が関係している場合、完全にゼロにすることは難しいこともあります。
しかし、日々の丁寧な拭き取りや食事の管理を継続することで、確実に状態を和らげることは可能です。
大切なのは、完璧を目指して神経質になりすぎず、愛犬や愛猫とのコミュニケーションの一環として、穏やかな気持ちでケアに取り組むことです。
根気強く、愛情を持って向き合っていきましょう。
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