愛するペットを守るために!身近に潜む口に入れると危険なモノ
愛するワンちゃん、ネコちゃんが元気いっぱいに毎日を過ごしてくれることは、飼い主さんにとって何よりの喜びです。
しかし、彼らの好奇心旺盛な行動が、時には思わぬ危険につながることをご存じでしょうか?
私たちの身の回りには、ペットにとって非常に有害なものがたくさん潜んでいます。
今回は、飼い主さんが日頃から注意すべき「口に入れると危険なモノ」について詳しく解説します。
大切な家族を守るために、ぜひ最後までお読みいただき、危険を未然に防ぐ知識を身につけてください。
「ちょっとだけなら大丈夫」はNG!イヌネコに与えてはいけない食材
実は、私たちが日常的に口にする食品の中には、ペットにとって毒となるものが多数存在します。
特に注意すべき代表的な食材を紹介します。
- ネギ類(玉ねぎ、長ねぎ、にんにく、ニラなど)
- チョコレート、ココア
- ぶどう、レーズン
- アボカド
- キシリトール(人工甘味料)
- アルコール
- カフェイン(コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど)
- ナッツ類(マカダミアナッツなど)
- 生の魚介類、鶏肉
- 香辛料(唐辛子、コショウなど)塩分、糖分の多い加工食品
これらの食材は、たとえ少量でもペットに与えないように徹底しましょう。特にテーブルの上の食べ残しや、調理中に床に落ちたものなどにも注意が必要です。
与えてはいけない食べ物に関するコラムは、下記よりご覧いただけます。
意外な落とし穴!散歩中、庭、室内にある実は危険な植物
美しい花や緑に囲まれた生活は素敵ですが、その中にペットにとって毒となる植物が潜んでいることがあります。
好奇心旺盛なペットが口にしてしまわないよう、注意が必要です。
散歩中に注意すべき植物
散歩中に道端や公園で見かける植物にも、危険なものが少なくありません。
彼岸花(ヒガンバナ):嘔吐、下痢、神経症状、重症の場合は死に至ることもあります。
スイセン:嘔吐、下痢、腹痛、心臓の異常を引き起こします。
チューリップ:球根に毒性があり嘔吐、下痢、口内炎、皮膚炎を引き起こします。
アジサイ:嘔吐、下痢、痙攣、麻痺などを引き起こします。
ツツジ・シャクナゲ:嘔吐、下痢、めまい、痙攣、呼吸困難を引き起こします。
イチイ:特に種子と葉に毒性が強いです。嘔吐、下痢、不整脈、呼吸困難、心不全を引き起こし、死に至ることもあります。
イヌサフラン:葉、花、球根に毒性があります。嘔吐、下痢、多臓器不全、骨髄抑制を引き起こし、非常に危険です。
これらの植物は、散歩中にペットが興味を示して口にしないよう、しっかりとリードを短く持ち、目を離さないようにしましょう。

庭やベランダで注意すべき植物
自宅の庭やベランダに植えている植物の中にも、ペットにとって有害なものがあります。
アサガオ:種子に有害成分が含まれ、嘔吐、下痢、幻覚などを引き起こします。
キョウチクトウ:樹液、葉、花、すべての部位に毒性があります。嘔吐、下痢、不整脈、心不全、死に至ることもあります。燃やした煙も有害です。
スズラン:花、葉、果実、根、すべてに毒性があります。嘔吐、下痢、不整脈、心不全を引き起こします。
クリスマスローズ:根、葉、花に毒性があります。嘔吐、下痢、心臓毒性、神経症状を引き起こします。
ポインセチア:樹液に刺激性物質が含まれ、口にすると口内炎、嘔吐、下痢などを引き起こします。重篤な症状は少ないとされますが、注意が必要です。
ユリ(特に猫):猫にとっては非常に毒性が高く、花粉、花、葉、茎、根、どの部位でも少量摂取するだけで急性腎不全を引き起こし、命に関わります。特に猫を飼っている場合は、ユリを室内に飾るのは絶対に避けるべきです。
アロエ:アロインなどのアントラキノン誘導体を含み、下痢、嘔吐、腎臓の損傷を引き起こす可能性があります。
シクラメン:サポニンを含み、特に球根に毒性が強いです。嘔吐、下痢、心臓の異常を引き起こします。
庭やベランダにこれらの植物がある場合は、ペットが近づけないように柵を設ける、高い場所に置くなどの対策をとりましょう。
室内で注意すべき植物
観葉植物は室内の雰囲気を和ませてくれますが、中にはペットにとって有害なものもあります。
上記で挙げた観葉植物(ディフェンバキア、モンステラ、ポトス、ユリ、シクラメンなど):室内で管理する際も同様に注意が必要です。
ソテツ:特に種子に毒性が強いです。嘔吐、下痢、肝臓障害、神経症状を引き起こし、重症の場合は死に至ることもあります。
アイビー(ヘデラ):サポニンを含み、口にすると口内炎、嘔吐、下痢などを引き起こします。
室内に植物を置く際は、ペットが届かない場所を選ぶか、毒性のない植物を選ぶようにしましょう。新しい植物を購入する際は、必ずペットにとって安全な種類か確認することが大切です。
日常生活に潜む危険!食べ物以外の日用品
食べ物や植物以外にも、私たちの身の回りにはペットにとって危険なものが数多く存在します。特に、ペットが好奇心から口にしてしまいがちなものを紹介します。
電池
乾電池、ボタン電池、リチウムイオン電池など、あらゆる種類の電池はペットにとって非常に危険です。
腐食性:特にボタン電池は、唾液と反応してアルカリ性の液体を生成し、食道や胃の粘膜を化学的に溶解させる「液化壊死」を引き起こします。わずか数時間で消化管に穴が開くこともあり、命に関わります。
重金属中毒:電池の種類によっては、カドミウムや鉛などの重金属が含まれており、これらが体内に吸収されると重金属中毒を引き起こす可能性があります。
異物:電池そのものが消化管に詰まり、消化器閉塞の原因となることもあります。
リモコン、おもちゃ、時計など、電池を使用している製品は、ペットが触れない場所に保管し、使用済みの電池もすぐに捨てるか、安全な場所にまとめておきましょう。
万が一、電池を飲み込んでしまった場合は、緊急で獣医師の診察を受ける必要があります。自己判断で吐かせようとすると、食道の損傷を悪化させる可能性があるので絶対にやめましょう。
アロマ製品・芳香剤
アロマオイル、ディフューザー、芳香剤、消臭スプレーなどは、私たちをリラックスさせたり、空間を快適にしたりする一方で、ペットにとっては有害な場合があります。
アロマオイル:特に猫は肝臓の解毒酵素が不足しているため、アロマオイルに含まれる化学物質(フェノール類、テルペン類など)を分解できず、中毒を起こしやすいです。
皮膚への付着、舐める、空気中に拡散されたものを吸い込むなど、様々な経路で中毒に繋がります。
症状としては、嘔吐、下痢、よだれ、元気消失、ふらつき、痙攣、肝機能障害などが見られます。特に、ティーツリーオイル、ユーカリオイル、ペパーミントオイルなどは猫にとって非常に危険です。
芳香剤、消臭スプレー:これらの製品には、エタノールや界面活性剤、様々な香料が含まれています。ペットが舐めたり、スプレーを吸い込んだりすることで、消化器症状や呼吸器症状、皮膚炎などを引き起こす可能性があります。
ペットがいる家庭では、アロマ製品の使用を控えるか、ペットが触れない、吸い込まない場所に設置するなど細心の注意を払いましょう。換気を十分に行い、アロマディフューザーの使用は短時間にとどめる、ペットが部屋にいない時に使うなどの工夫も必要です。
紐・糸・ビニール・おもちゃの破片など
ペットは好奇心旺盛で、動くものやひらひらしたものに興味を示します。これらを誤って飲み込んでしまうと、消化器に重大なトラブルを引き起こすことがあります。
線状異物(紐、糸、リボン、デンタルフロス、ビニール紐、靴下など):特に猫に多く見られます。これらを飲み込むと、腸が紐状の異物に沿ってアコーディオンのようにたぐり寄せられ、腸閉塞や腸の壊死、穿孔を引き起こします。非常に危険な状態であり、緊急手術が必要となるケースが多いです。
ビニール袋、ラップ:口や鼻に張り付き、窒息の原因となることがあります。また、胃や腸に詰まり、消化器閉塞を引き起こすこともあります。
おもちゃの破片:硬いおもちゃや劣化して破片になりやすいおもちゃは、飲み込むと消化管を傷つけたり、詰まったりする可能性があります。特に小型犬や子犬、子猫は注意が必要です。
髪の毛:人間の髪の毛も、特に猫が毛づくろいの際に大量に飲み込むと、胃の中で毛玉(ヘアボール)となり、嘔吐や食欲不振の原因となることがあります。
爪楊枝、竹串:テーブルの上や床に落ちたものを誤って飲み込むと、消化管に突き刺さり、重篤な損傷を引き起こします。

医薬品(人間用・ペット用問わず)
人間用の医薬品は、ペットにとっては有害な成分が含まれていることがほとんどです。また、ペット用の医薬品であっても、誤った量を与えたり、他の動物に与えたりすると危険です。
人間用の痛み止め(アセトアミノフェン、イブプロフェン、アスピリンなど):アセトアミノフェンは特に猫にとって非常に毒性が高く、赤血球の損傷、肝不全を引き起こし、少量でも命に関わります。イブプロフェンやアスピリンは、胃潰瘍や腎臓の損傷を引き起こす可能性があります。
抗うつ薬、睡眠薬、血圧降下薬など:人間用の薬は、ペットの体重や代謝能力に合わないため、少量でも重篤な中毒症状を引き起こす可能性があります。
ペット用の医薬品:誤飲を防ぐため、必ず処方された量を守り、ペットの手の届かない場所に保管しましょう。多頭飼いの場合、他のペットが誤って摂取しないよう、個別に管理することが大切です。

まとめ
愛するペットが健康で幸せな生活を送るためには、飼い主さんの深い愛情と、危険から守るための正しい知識が不可欠です。
今回ご紹介した「身近に潜む口に入れると危険なモノ」は、ほんの一部に過ぎません。
常に「これはペットにとって安全か?」という視点を持つことが、事故を未然に防ぐ第一歩となります。


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