ペットの糖尿病について
糖尿病は、膵臓がインスリンホルモンを十分に産生できなくなってしまったとき、何らかの理由でインスリン抵抗性を発生したとき、あるいはその両方によって起こる疾患です。

インスリンのはたらきはどのようなものですか?
ペットが食事するたびに、グルコース(糖)が腸から吸収され、血液中に入ります。グルコースは体細胞に不可欠なエネルギー源であり、細胞はグルコースを利用して機能し、身体を動かします。一方で、インスリンは膵臓から分泌されます。インスリンは、グルコースを血液中から細胞(肝細胞、腎細胞、脳細胞、筋肉細胞など)に取り込みます。細胞内で、グルコースは成長に必要なエネルギー源として使われます。インスリンは、グルコースを細胞内に入れるドアを開ける鍵である、と考えてください。インスリンは血糖値を低下させ、グルコースの細胞内への取り込みを促進し、グルコースはそこでエネルギー源として利用されます。
インスリンが不足するとどのようなことが起こりますか?
糖尿病にかかると、膵臓はインスリンホルモンを十分に産生できなくなります。インスリンが分泌されない場合は、グルコースを血液中から体細胞に取り込めず、エネルギー源として使用できなくなります。血液中の血糖値は異常に高くなり、その結果、尿中に糖が排出され、ペットの尿に糖が含まれるようになります。
この場合、体細胞はグルコースをエネルギー源として利用することができません。これに代わって、グルコースに依存しない“異常な”エネルギー産生プロセス(脂肪酸の分解など)が開始されます。こうしたプロセスにより有害な副生産物が生成され、最終的にペットが重い病気にかかる場合もあります。
どのような兆候に気をつければよいですか?
ペットに不安な点がある場合は、かかりつけの獣医師に相談してください。注意すべき兆候は以下のとおりです。
- 多飲
- 多尿
- 食欲の変化
- 体重減少
- 被毛のつやがない
- 元気がない、活動性の低下
治療方法はありますか?
獣医師は糖尿病の進行程度により、治療方法を検討します。治療法には、食事の変更や、膵臓が産生できなくなったインスリンの代わりにインスリンを投与するインスリン注射などがあります。

当院の副院長である松波登記臣は全国でも数少ない内分泌専門診療科(糖尿病診療科)の専門医です。お気軽にいつでもご相談ください。
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