2025.11.21健康 , 暮らし

猫のストレス解消と快適な毎日をサポートする自宅ケアについて

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Red cat sits on the window and house plants on the windowsill. Domestic pet kitten resting on the windowsill at home in sunny day.

愛する猫がストレスなく、穏やかに暮らすことは、飼い主さんにとって最大の願いでしょう。

猫は環境の変化に非常に敏感で、ちょっとしたことでストレスを感じやすい生き物です。

自宅でできる適切なストレスケアを実践することで、愛猫の心と体の健康を守り、より深い絆を築くことができます。

 

この記事では猫のストレスケアに焦点を当て、環境整備から健康管理、メンタルケア、そして留守番時の対策まで、飼い主さんが自宅で実践できる具体的な方法を詳しくご紹介します。

環境の変化に伴う注意点:新調、模様替え、移動をスムーズに

猫にとって「環境の変化」は大きなストレス要因となります。特に、生活に欠かせないベッドやトイレ、フード・水の容器といったアイテムの新調や、家具の配置換え、これらを移動させる際には細心の注意が必要です。

ベッド・トイレの新調、移動の注意点

猫は自分のニオイが染みついた環境を安心できるテリトリーと認識します。そのため、新しいものを導入したり、場所を変えたりする際は、猫の警戒心を取り除くための工夫が必要です。

 

 ・ 新調時の注意点:徐々に慣らす「段階的な交換」

トイレ・ベッドでは古いものをすぐに撤去せず、新しいものを古いものの隣にしばらく並べて設置し、猫が新しいものに慣れるのを待ちましょう。

 

 ・模様替え・移動の注意点:定位置を尊重する

トイレは猫が安心して排泄できる「定位置」に設置することが基本です。

やむを得ず移動させる場合は、短期間で大幅に場所を変えるのは避け、数日間かけて少しずつ移動させるなど、ゆっくりと慣れさせる時間が必要です。

環境エンリッチメントでストレス軽減

猫が自宅で退屈しないよう、環境を豊かにする(エンリッチメント)こともストレスケアには不可欠です。

 

 ・「垂直方向の空間」の活用

上下運動は猫にとって重要な運動であり、縄張り意識を満たす要素です。キャットタワーやキャットウォークを設置し、猫が自由に登り降りできるようにしましょう。

 

 ・「知的好奇心」の刺激:

知育トイ(パズルフィーダーなど)を活用して、遊びながらおやつやフードを獲得させることは、狩猟本能を満たし、退屈によるストレスを軽減します。

 

 ・「窓からの眺め」の確保

窓の外の景色(鳥、車、通行人など)は、猫にとって最高のエンターテイメントになります。

安全な窓辺に猫がくつろげる場所を設けましょう。

食欲不振への対策

猫の食欲不振は、単なる好き嫌いではなく、体調不良や深刻な病気、あるいは強いストレスのサインである可能性が高く、特に注意が必要です。

48時間以上の絶食は「命の危険」

猫が24時間以上食事を摂らないと、体内に蓄積された脂肪が急激に分解され、肝臓に負担がかかる「肝リピドーシス(脂肪肝)」という命に関わる病気を発症するリスクが高まります。これは肥満猫だけでなく、痩せている猫でも起こり得るため、非常に危険です。

 

 ・様子見はしない

「そのうち食べるだろう」「ストレスだろう」と様子を見るのは危険です。

 

 ・緊急性の高いサイン

 48時間(2日間)以上全く食べない、またはほとんど食べない状態が続く場合は、様子を見ずに、なるべく早く動物病院で診察を受けてください。

 

食欲不振が環境変化やストレスによる一時的なものであったとしても、獣医師の診断を受けることで他の病気を早期に発見し、適切な対処法を指導してもらうことができます。

脱水症状チェック:熱中症や病気の早期発見のために

ストレスや病気で食欲・飲水量が減ると、脱水症状を引き起こしやすくなります。猫の脱水は命に関わることもあるため、自宅で簡単にできるチェック方法を知っておくことが大切です。

簡単な脱水チェック

猫が脱水していないかを確認する最も簡単な方法は、皮膚の弾力性をチェックすることです。

 ・猫の首の後ろや背中の皮膚を優しくつまみ上げます。

 ・つまんだ手を離し、皮膚が元の状態に戻るまでの時間を観察します。

 

より詳しい脱水症状の確認方法や注意点については、以下のコラムも参考にしてください。

▶︎ 犬と猫の熱中症にご注意を

脱水症状が見られた場合は、動物病院に連絡し、指示を仰いでください。

メンタルケア方法

猫のストレスを軽減するためには、環境の整備に加え、日々の生活の中で愛猫の心に寄り添うメンタルケアが欠かせません。

積極的なコミュニケーションと遊び

・定時遊び

毎日決まった時間(特に夕方など猫が活発になる時間)に、猫が好きな遊び(追いかけっこ、獲物を捕まえる遊びなど)を取り入れ、狩猟本能を満たしてストレスを発散させましょう。

1日5~10分程度でも十分効果があります。

 

・過度な干渉は避ける

隠れている時や落ち着いている時に無理に触ったり、抱っこしたりするのはストレスになることがあります。

猫が望む距離感を保ち、そっとしておくことも大切です。

ルーティンを保つ

猫は変化を嫌い、日々のルーティン(決まった時間に食事、遊び、睡眠など)を安心の基盤としています。

 

 ・食事・トイレ・睡眠の場所と時間

これらを一定に保つことで、生活リズムが安定し、ストレスが軽減されます。

 ・お世話の担当者

複数人で猫のお世話をしている場合でも、基本的なルーティンや接し方の方針を統一しましょう。

おすすめのサプリメント:ジルケーンの活用

猫の不安やストレスを和らげるサポートとして、サプリメントの活用も有効です。

動物病院でも推奨される代表的なサプリメントの一つに「ジルケーン」があります。

ジルケーンとは

ジルケーンは、ミルクに含まれるタンパク質(カゼイン)を分解して作られる天然由来の成分「α-カソゼピン」を主成分としたサプリメントです

 

ストレスや不安を感じやすい環境下(引っ越し、来客、雷、動物病院の受診、留守番など)で、猫がリラックスして落ち着きを保てるようサポートします。

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不在時のお留守番:ストレス軽減のためのペットシッター利用

愛猫の環境を変えずに、普段通りの生活を維持できるのが「ペットシッター」の利用です。

飼い主さんの出張や旅行などで家を空ける際、猫をペットホテルに預ける選択肢もありますが、猫にとって「環境を変えること」は最大のストレスとなるため、プロのペットケアシッターに家に来てもらって、猫に移動のストレスをかけないという選択肢も推奨されます。

また最近では、仕事で家を不在にする時間が長いという方も、猫が孤独になりすぎないため、あるいはトイレなどの汚れを長時間放置しないため、という理由でペットシッターを利用されるかたもいます。


この度、松波動物病院グループが運営するご自宅訪問サービス「プロケアペットシッター」を開始いたしました。

名古屋にお住まいの飼い主様のご自宅に訪問し、病院の有資格スタッフや研修を受けたペットシッターがお世話やトレーニングを行います。

詳細は、ぜひ「プロケアペットシッター」ホームページでご確認ください。

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まとめ

猫のストレスケアは、環境の整備、健康管理、メンタルケア、そして信頼できる第三者のサポートを組み合わせた多角的なアプローチが重要です。

 

ベッドやトイレの新調・移動は、猫が慣れるまで時間をかけて段階的に行いましょう。

脱水症状チェックなどで、愛猫の体調変化を見逃さないようにしましょう。

定時の遊びや優しいアイコンタクトで安心感を与え、ジルケーンのようなサプリで心をサポートしましょう。

さらにペットシッターを利用し、慣れた環境でいつも通りの生活を送れるように配慮しましょう。

登記臣院長
登記臣院長
これらの自宅ケアを実践し、愛猫との生活がさらに豊かで穏やかなものになるようサポートしていきましょう。
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松波動物メディカル通信販売部本店公式ブログ

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わたしたちは創立1974年以来、愛知県名古屋市内で動物病院ペットの健康管理をトータルサポートし続けています。当院は犬・猫をはじめとする小動物の診療を主体として、トリミング、しつけ教室、ペットホテル、通信販売など、さまざまなペットケアサービスをワンストップで展開しています。