2020.02.12健康 , 知識

ネコちゃんに多い病気(異物誤食のこと:前半)

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easter lily flowers on white background

紐状異物の次は毒物でも有名な“ユリ科植物”について。ユリ科植物の毒物(以下ユリ中毒)はワスレグサ属・ユリ属の植物を口から摂取することによって生じる中毒ですが、その症状が発症するのがとても早いのが特徴ですが、症状がコロコロ変わることで、ご家族を惑わすことでも有名な病気です。

ユリ中毒は、誤食後6時間以内で嘔吐やよだれが大量に出始めます。そして一旦症状を無くしてしまうのが、この病気の非常に怖いところ。。そのせいで、ご家族が症状を見逃してしまったり、症状が落ち着いてしまったがために動物病院に行くのをためらってしまったりしてしまうのです。

そして誤食後12時間が経過する頃には、多飲多尿や尿毒症口臭を出し始めます。つまりこの短い時間の間に、急激な腎障害を引き起こしてしまうのです(急性腎障害)。そして24時間経過する頃には、乏尿(おしっこが全く作られない)や頻回の嘔吐が繰り返し起こります。それ以降は、急性腎障害による症状が引き続き起こり、最悪、死に至ります。

昨今、ユリ中毒の怖さは結構広まっているので、ご家族のみなさまは注意されているかと思いますが、動物病院には一定数のユリ中毒に陥ったネコちゃんが来院されます。万が一、ユリ科植物を誤食してしまった場合は、すぐさま動物病院を受診し、治療を開始してください。様子見は極めて危険な行動ですよ。

 

 

前半はここまでとなります。前半の今回は『異物誤食』の原因と症状についてご紹介しました。この病気が非常に恐ろしいことがわかってきましたか?次回の後半(その1)は『異物誤食』の診断や治療のことなどを書かせて頂きますので、よろしくお願い致します。この記事を読まれたご家族のなかにはこれまでに肝を冷やした経験があった方もいらっしゃるかもしれません。日頃から、異物誤食になってしまうかもしれないものはなるべくネコちゃんから離しておきましょう。

松波動物病院メディカルセンター 獣医師 松波登記臣

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獣医師 松波登記臣

獣医師 松波登記臣

名古屋市にある松波動物病院メディカルセンター副院長の松波登記臣です。臨床獣医師として毎日診療および手術を担当しています。専門分野は、内分泌疾患(糖尿病、クッシング、甲状腺)や肝臓疾患で学位を取得しました。また近年では「痛みが少なく・傷が小さい」内視鏡手術に取り組んでおり、腹腔鏡を用いての避妊手術や各種生検、さらには胆嚢摘出、副腎摘出、肝葉切除などを行っています。